疲れるということ

2001年7月18日記
 最近、人工壁を登っていて、特に感じるようになった事がある。それは、疲れるということである。

 登れば疲れる。それは至極当然である。しかし、その疲れがなかなか回復しなくなってきたということである。

 以前ならば、3時間程の間に10本や20本は間違いなく登っていた。しかし、最近は7〜8本がやっとである。それも、2手か3手で落ちてである。もしかするとルートを登るよりも効率が悪いかもしれない。

 そりゃぁ、やさしい課題ならば20本や30本登ってもそんなに疲れはしない。小生の限界グレードを登っている時の話しである。

 未だ登れていない忍者返しの小生の1日の挑戦回数の限界が5〜6回、いいとこ4回であることは以前からも感じていた。小生にとっては、なぜか忍者返しは疲れる課題だったのである。それが最近人工壁でも感じだしたのである。

 以前からジムでは自分の限界グレードを登ることはしなかったのかというとそんなことはない。人工壁でも、クライミングを始めてからこの方ずっと、限界グレードに挑みつづけて来たのである。それが、最近急にそう感じるようになって来たのである。

 何故なんだろうか。

 一つ考えられることは、最近は被った壁を中心にやるようになったということがある。

 薄被りでの課題の場合、限界グレードでもその課題を1日に少なくも10回位はトライ出来る。そして、いいかげん疲れてきたころに登れたりする。しかし、被っている壁の課題の場合、3回か4回で、完全に登れない、核心にすら到達出来ない、そんな状態になってしまう。

 やっぱり、被った壁のせいか。被った壁は疲れる。そんな単純な問題か。

 被っていても、やさしい課題ならば、やはり10本や20本は登れる。単純に被りによる疲れだけでもないようだ。懸垂でも2〜3回位ずつならそんなに疲れずに繰り返すことができるのだから。

 そこには他になにかもっと原因があるはずだ。

 どうして登れなくなるのか。

 その症状を考えてみると、大体、少し遠いホールドが取れなくなってくる。

 ということは、引き付けが出来なくなってくる、ということか。どうもそのようだ。

 忍者返しができなくなってくる理由は、最近わかったことなのだが、1手目の左手がしっかり持てなくなってくると、身体が上がらず、スローパーに止らなくなってくる。

 最近やっている人工壁の課題だと、ピンチホールドで身体を巻き込みその上の少し遠いホールドをクロス気味に取る所ができなくなってくる。

 指の力か。

 いや、そうでもないように思う。

 確かに指の力も無くなってはくるが、そのせいだけでもないような気がする。

 そのほかとは何か。

 疲れてくると、ホールドが持てなくなってもくるが、確実に身体が壁から離れてくる。壁から身体が離れると、指の負担が増える。そうすると、益々ホールドが持てなくなってくる。被っていれば尚更である。そういうことか。

 身体張力が弱くなって来るからなのか。

 身体張力とはおおざっぱに言えば背筋に腹筋だ。微妙なバランスがあるから、主要な筋肉のほかに小さな筋肉も動員される。その小さな筋肉が疲労してくるのか。それで、回復が遅いのか。回復しないのか。多分これだ。

 そう、主に背筋や腹筋類が疲れて来るからなのだ。それも、今まで使わなかった細かい筋肉群が。それで、指が保たなくなって来るのだ。そういうことなのだ。

 ということは、もっともっと、被った壁を、一生懸命やっていれば疲れなくなってくるのか。多分そうだ。

 最近は、被った壁の少し難しい課題をやり出したので、使う筋肉が違ってきた。それで、その筋肉が疲れる。だから、その筋肉をもっと鍛えれば疲れなくなってくる。そういうことだ。決して歳のせいではなかったのだ。

 これで少しは安心した。


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作成年月日 平成13年 7月18日
作 成 者 本庄 章