とあるボルダーその20その3

2008年 8月22日記

 とあるボルダーその3日目

 やはり6時頃には起き出した。することがないから、ポケコンにメモを打ち込んでいた。

 7時頃には相棒も4歳の息子も起きたので、3人で散歩に出た。息子は捕虫網を持ち、虫籠を首から下げていた。

 昨日探索した天場の下の畑から森に入り、昔よくテントを張った場所を通って皇帝岩に行き、瑞牆林道に出て天場に戻った。

 途中、朝が早かったので、蝶々は花に止まっていたのだが、近づくとヒラヒラと舞い上がるので、4歳の息子はそれを一生懸命採ろうと網を振るのだが、そう簡単には捕まるものではない。最初から、それを想定して買い与えたものなのだが、どこをどうしたのか、 かわいそうに、一匹のトンボが捕まってしまった。さすが、4歳の子にはトンボを網から籠に移すことはできなかったので、籠に入れてやった。

 最初はこの日に小川山に移動する積もりだったのだが、結構気持ちがよかったし、日曜日では小川山も空かないかもと思えたので、もう一泊ここに泊まることにして、管理棟に延長泊の料金を払いに行った。時間がまだ9時前だったからか、最初に受け付けてくれた小父さんはいなかった。先に提出した申込書を訂正し、1000円を支払った。

 隣のテントのジムの仲間と話していたら、そのお仲間の一人が、昨日から我々の隣にテントを張っていた昔のジムの仲間と一緒にボルダリングをするという事だったので、小生もその仲間に入れていただくことにした。実は、その昔のジムの仲間も小さなお子さん連れだったのだ。

 その方は、小さなお子さんを二人連れておられたので、一先ずは皇帝岩に行くことになった。相棒にもそのことを伝えたのだが、4歳の息子が草原に跳ぶバッタやトンボ、蝶々などに夢中になり、走り回っていたので、相棒と二人を残し、小生のみ出掛けて行った。

 昔のジムの仲間の奥様が、マントルの課題に挑戦し始めた。しかしこの課題、少々力のいる課題だ。足をリップに上げるのだが、なかなか体が上がって行かない。何回か挑戦したのだが、結局成功しなかった。

 小生はその課題はやらなかった。なぜって?力がいるからだ。以前、何回か登っているし。

 裏の大きなポケットの課題を触ることにした。一昨日も触った課題だ。一緒に、ここで初めてお会いした方もそこを触ることになった。

 この方、瑞牆のボルダーは2回目だかと言っていた。グレードも5級くらいだとか。しかし、登りを見ていると、とてもそうは見えなかった。話を聞くと、普段は花崗岩のルートをやっているとのこと。道理で足が巧すぎると思った。彼は、そのポケットの課題を簡単に登ってしまった。小生は相変わらず登れなかった。

 次は、その右隣の、一昨日やっとこさ登れた、斜めフレークの課題を二人で登ることになった。その時、昔のジムの仲間に登ってもらうと、右足をスメアで突っ張って、右上のリップを取りにいっていた。小生は、少し右のスタートホールドに足をかけてリップを取りにいったので、結構よっこらしょ的なムーブになってしまっていた。ジムの仲間の足を真似したら、結構楽にリップが取れた。またしても足だった。

 初めての彼が、その課題と大きなポケットの課題の間の、少し遠いホールドを取りに行く課題が登れないということで、そこをジムの仲間に登って呉れるよう頼んでいた。見ていたら、リップに左足を掛け、地ジャン気味に右上の遠いホールドを取りに行き、あっさりと登ってしまった。スタティックに離陸をしようとしていたので、ホールドがなく難しかったようだ。彼はそれをまねると、やっぱりあっさりと登った。

 その後、その彼は、表の右端の7級だかのスラブを登ったのだが、やはり、上の少し悪めのホールドで足を上げるところで行き詰まり、結構長い時間その場所に停どまっていた。

 だいぶんああだこうだ試行錯誤の上、少し左の方のホールドを使い、やっと上に抜けた。

 降りてきたので、その左も4級かそこらで登れることを教えて上げた。

 小生は裏に回り、大きな穴の下の被ったところからスタートする課題に挑戦していたジムの仲間を、その仲間の息子さんといっしょに眺めていた。すると、表から大きな音が聞こえてきた。どうやら初めての彼が途中から落ちた模様だった。

 しばらくするとその彼が裏に回ってきて、真ん中を登ったといった。

 それではと、7級の課題の右のカンテの、初段の課題だったかという課題名の課題を教えて上げた。

 その彼は、途中の一本指の入るポケットで苦労していたところ、ジムの仲間も仲間に加わってきた。その仲間は、結局、そこを一撃した。それを見て、新しい彼がまた挑戦したのだが、やはりポケットの処理で苦しんでいた。彼の指はそのポケットに入らないらしい。小生はそのポケットまで2回か3回位い行ったことがあり、しっかりと指が奥深くまで入った記憶がある。ジムの仲間に確認すると、確かに入ったそうだ。指をいれる角度の問題なのだろうか。

 その後、その彼は何回か挑戦したが、疲れが出てきたようで、ついに諦めた。

 次はどこに行くかとなって、小生が、ルーフクラックがあると紹介すると、ジムの仲間が、そのことは聞いたことがあり、行ってみたいといった。また、初めての彼も行きたいというので、そのルーフクラックの課題のあるエリアに移動することとなった。

 この初めての彼だが、小生のここ瑞牆でのお仲間の一人が属している山岳会に属している事がわかった。その会はクラックをやる人が多いらしいのだ。

 瑞牆大橋の下の、以前行ったことのあるエリアだったので、昔の記憶を頼りに薮を漕ぎ、沢を溯り、岩を越えて行くと、なんだか見覚えのある場所に出た。その先どうだったかと、岩を攀じ登り先に進んだがはっきりしなかったので、見覚えのある場所まで戻り、ボルダーマットを背負いながら薮を漕いでいるため少し遅れていた仲間を待っていると、ジムの仲間のここではないかという声が聞こえてきた。

 その仲間の元へ行き、岩を見ると、まさしくその岩だった。前にここにきた時は、沢の上から降りてきたので、その時に降り立った、少し広くなった場所の印象が強く、それで、そこが鮮明に思い出されたのだとおもう。ルーフの岩がその場所の前だったか先だったかがあやふやだったので、すぐにはその岩を発見できなかったのだとおもう。木の葉の茂り方の違いもあったと思うし。まぁ、何はともあれ、それほどの寄り道もなく岩は発見できたので、結果オーライということにしておこう。

 初めての仲間が早速潜り込み、どこからスタートするのかと聞くから、小生は直接潜り込んではいないし、外から眺めていただけなので、多分、ハンドが効くところからでよいのではと言ってしまった。

 そのルーフは途中、ぽっかりと穴が開いており、その部分はハンドジャムを効かせることが出来ないのだそうだ。それで、その手前からだろうと言ってしまったのだが、後日ある人に確認したところ、その穴の先にホールドがあり、そこから出る方法と、もう一つ、その洞穴の一番奥から出る方法の3種類のスタート方法があるらしいのだ。そして、それぞれでグレードも違うらしいのだ。一番奥からだと三段になるのだそうだ。

 ぽっかり明いた穴の手前のルーフはハンドが効くらしいので、出口まではそれほど難しくはないらしいのだが、出口から上に登るところが結構難しいらしい。というか、ルーフで力を吸われるので、登れなくなるらしい。初めての人は、その部分だけをやると出来るのだが、奥からやるとなかなかムーブが繋がらなかった。

 ジムの仲間は、1回か2回の試技の後、出口の足を確認して、上に抜けて行った。

 初めての彼が、ルーフはハンドがキッチリト効くからと、小生にも薦めてくれたので、小生ももぐって見た。狭いし、手の短い小生には、壁に顔は挟まるし、ハンドも確かに効くのだろうが、しっかりとぶら下がることができなかったので、1回でやめてしまった。

 橋の方から人を呼ぶ声が聞こえてきた。どうやら、キャンプ場でもお会いし、あいさつもさせてもらった、以前に何度かお会いしたことのある、ジムの仲間の知り合いだった。

 どうやらグレードを聞いてきたようで、11位とか答えてたと思う。すると、1級位かとの返事が聞こえてきた。

 確か初段くらいと聞いていた様に思うので、やっぱり磨いた直後だったからなのかなぁなどと思っていたのだが、やはり、スタート位置の違いだったようだ。天井の穴の先のホールドでスタートすると初段くらいになるらしいのだ。そういえば、ここに初めてトライした時に、一度登った仲間が、もう一度なんだかもっと奥からもやっていたような気もする。暇があったら、その時の記録を探して見ることにしよう。何しろ、何の整理もされていない此処とあるエリアの資料が結構たまってしまっているからなぁ。

 その初めての人がその後も試技を繰り返したが、最後の出口の壁への移動がどうしても出来ず、諦めるとの事なので、別の場所に移動することにした。

 来た道を戻るよりは、上に走っているだろう遊歩道に出る方が楽ではないかとのジムの仲間の提言で、傾斜のない、薮もほとんど無い沢の側壁を登って行った。

 遊歩道に出たので、多分おはようモ−ニングがあるだろう方向に歩いて行くと、確かにその岩は有った。しかし、日はほとんど当たらない薄暗い場所で、苔も相当に戻ってしまっていた。仕方がないから、そのまま山梨県エリアを経由して山形県エリアに移動した。

 ジムの仲間は阿修羅の岩を登るというので、初めての人と一緒に上のスラブの岩を見に行った。

 クラックが二本ある岩のスラブはそれほど難しくはないし、苔も戻っていたので、さらに上に行って見た。

 結構きれいに磨かれた感じの、のっぺりとしたスラブが現れた。傾斜もそこそこあるから、結構難しいスラブだと思う。そこを初めての人が触り出した。

 上のリップが苔だらけに見えたので、上に回ってリップを確認して見た。リップは見事に苔苔だった。リップにはホールドらしいものは見当たらないから、実際に登るには磨き直さなければならないようだった。

 下に戻ると、難しくて離陸ができないから諦めたと言ったので、そこから少し離れたところの、僅かに被った、カンテを登る岩に行った。この岩は多分前回ここに来た時に触った岩だ。

 初めての彼は、リップは使わず、リップのすぐ脇の壁の中のフレークの縁の縦カチホールドで、天辺のリップに跳んだ。それが、あまりにも気持ち良さそうだったので、小生も真似をして跳んで見たら、リップが取れた。跳ぶと言っても、足がスタンスからほんの少し離れるくらいの距離だから、難しくはなかったのだが、やっぱりランジが決まると、結構気持ちが良いものだ。

 ジムの仲間が上がって来て、そろそろ帰ると言った。時間は4時頃だった。その日は増富の湯に行く予定にしていたので、5時に仲間と待ち合わせているという初めての仲間をそこに残し、ジムの仲間と一緒にテントまで戻った。

 日曜だし、あまり早くとも温泉が混むだろうと思ったのだが、あまり遅くなっても息子が寝てしまうしと、5時前に増富の湯に行った。駐車場はそれほどは混んではいなかった。

 まず、一番暖かい32℃位の源泉に入った。息子はやはり、茶色に濁った、ぬるいよりは少し冷たい御風呂に入るのは初めてだったようだ。

 体を洗い、息子の頭を洗った後、今度は、中位いの29℃位いの源泉に入った。少し冷たく感じた。息子も、すぐに出ると言った。

 少し体を温めようと、薬湯に入って見た。少し体は暖まったが、やはり息子はすぐに出ると言った。この4歳の息子は、熱い湯には入れず、ぬるい湯でも直ぐに出るというのだ。

 続いて、ガラス張りの、泡風呂に連れて行った。こちらはおもしろかったらしく、腰掛け状のところに腰掛け、後ろから腰の辺り、4歳児にとっては背中に噴射されるジェット噴流に必死に耐えながら浸かっていた。

 大分んに体が暖まったので、源泉の寝湯に行ったのだが、その風呂桶の向かいにミスト浴ができる、ビニールの垂れ幕で囲われた場所があったので、そこに入った。中は寝湯見たいな形になっており、頭の上から細かい霧状の水が噴霧されていた。

 息子は、その霧が顔にあたり、顔が濡れるのが面白いらしく、仕切りと顔を拭いながら、なかなか出ると言わなかった。小生は、寝転んだり、起き上がったりしながら霧を浴びていたのだが、段々寒くなってきてしまった。しかし、息子が出ると言わなかったので、仕方なく付き合っていた。

 最後に、普通の温度の普通の御風呂で暖まって、相棒との待ち合わせ場所である休息所に行った。

 一応待ち合わせ時間頃に行ったのだが、って、この時間に合わせて直ぐに飽きてしまう息子を無理やり引き回していたのだが、相棒は上がってきてはいなかった。水を汲んできて、二人で飲んでいたら、間もなく相棒がやってきた。

 ここで夕食でもと言っていたので、そのつもりだったのだが、ここの食堂は4時だか5時だかで終わってしまったらしいと相棒が言うので、アイスを買ってもらって、息子と二人でアイスを食べた。

 増富の食堂ででもと考えたのだが、なんだか良さそうな食堂も見当たらなかったので、そのままテントに戻ることにした。

 駐車場に着くと、金曜日から小川山に行っていた人が、犬に餌をやっていた。ここに常駐している人の犬の世話を頼まれていたらしい。犬の飼い主はまだ戻らないらしい。もう暗くなっていたので、お別れし、テントに戻った。

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作成年月日 平成20年 8月23日
作 成 者 本庄 章