島根半島のボルダーを巡ってきました

   京都・山陰・山陽のボルダーめぐり第三段目
2005年 5月27日記
 「湯の川」道の駅で、4時半に目を覚ます。本日は廻る場所の数も多いからと、少し早めの5時半過ぎに出発する。

 一応大社道の駅を気にしながら、出雲大社に向かったら、昨夜通った道から本の少し入った所に道の駅があった。周りを良く見たら、昨夜走ったとは反対方向からだと良く見える看板が出ていたのだ。どうやら、昨夜は脇道からその道の駅の前の道に入ったため、看板が無かった模様である。まだ6時過ぎだから、実質の時間的ロスは殆ど無いから、たいした実害は無かったから、まぁ良しとしよう。

 その道の駅に自動車を置き、昨夜見た鳥居を潜って大社本殿に向かう。参道には松の木の並木だろうかが植えられており、トンネル状を呈していて非常に気持ちが良い。

 この出雲大社も以前来たことがあり、その時も始発の電車で来たはずだった。その時、確か無料休息所で少し寝ていた記憶があったので、その休息所を探したが見当たらない。確か結構大きな建物だった筈なのだが。

 一応お参りをして、社務所で無料のパンフレットを頂いて、少し寄り道をしながら、ぶらぶら歩いて自動車まで戻ってきた。

 すっかり晴れた空から日が差しており、気持ちの良い朝である。湯を沸かし、昨夜買ったカツ丼を二人で食べ、コーヒーを飲んでから出発した。

 先ずは「小伊津港」を目指す。カーナビや案内板のお陰で、迷うことなく港に到着する。

 まだ工事の残る新しい港を奥まで進み、工事が行われている場所の手前の広場に自動車を停める。そこから歩いて1分か2分の所が岩場の筈だ。

 行ってみたら、山肌に岩が露出しており、その前には堤防が築かれている。そして、その堤防の海側は綺麗な公園が作られている。この公園はほぼ完成しているようだった。

 公園内に入ると、山肌と堤防の間に縄が張られ、「立ち入り禁止」の看板が下げられている。

 その岩場に沿って公園が伸びているから、公園を奥まで進んで、やはり綱の張られた堤防の切れ目から岩の前に降りてみる。

 傾斜の無い、ガチャガチャした岩壁である。所々洞窟が入り込んでいる。トポと見比べても、どこがどれやら訳が判らない。公園の一番奥まで進んで、堤防の上から岩場を偵察したら、大きな洞窟が二つ見える。よく見ると、何となくトポと形が似ている。エリアはこの辺りだけなのだろうか。

 再び岩の前に降りて、その洞窟に入ってみたら、トポにあるような石が洞窟の入り口に存在する。その洞窟に入ってみたら、奥で隣の洞窟と繋がっている。再びトポを見たら、その洞窟らしい形が見える。そうか、この二つの洞窟と、その右隣の洞窟がトポに書かれていたのか。その目で見たらいろいろとわかってきた。洞窟の中の側壁を登るらしいのだ。

 下地は大きな石ころや小さな石ころが転がっている。場所によっては水溜りになっている。下地はあまり良いとはいえない。それに、側壁だから、最後は飛び降りなければならない。

 一旦洞窟を出て、外の岩の適当なところを登ってみることにする。

 火成岩とでもいうのだろうか、意外とガビガビしている。その分ホールドは豊富だから、ガバガバガバと登る。と、やはり脆いところがあった。

 2〜3箇所、そんなところを登ってから、洞窟の中に戻る。

 洞窟の側壁だから、結構被った壁になっている。しかし、マットは持ってきてはいないから、高いところは登れない。適当な場所のトラバースをやってみる。トポと比べても、細かい場所はわからないから、トポとは関係なくやってみる。

 ホールドは思ったよりすべすべしていて、なかなかうまく登れない。それでも、2〜3箇所を触ってみる。

 基本的に余り面白く感じないから、適当に切り上げてしまう。何しろ、立ち入り禁止の場所だし。

 都合1時間も遊んだだろうか、次は魚瀬漁港のボルダーに行ってみるか。

 道は一旦海岸から離れ、再び魚瀬の海岸を目指すように走る。

 インターネットに紹介されていた写真のボルダーを求めて細い道を下り、漁港に行って見たのだが、それらしいものは見当たらない。漁港の防波堤を乗り越えて、見に行ったが、見当たらない。もう少し先の新しい漁港にも行ってみたが、大きな黄色い岩は有るものの、やはりボルダーらしきものは見えない。少し興味のあったボルダーだったのだが仕方がない。次は片句のボルダーか。

 細い海岸沿いの道を走って片句まで行ってみる。ここはトポは無いから、詳しい場所はわからない。おまけに下に見える漁港まで降りる自動車の走れそうな道も無さそうに見える。仕方がないからここもパス。

 次は少し離れた場所の片江を目指す。相変わらず細い海沿いの道を走っていたら、道路わきに湧き水が出ている場所が現れる。地元の自動車も停まっていたので、我々も自動車を停め、ポリタンにその湧き水を汲んでくる。

 少し高い場所を走っていた道は一旦海辺まで下り、海岸沿いを走り、片江漁港に入ってゆく。

 一番奥まで行くと行き止まりになるから、その手前の道路わきに駐車する。

 港の脇の舟置き場のような場所を通って堤防を越え、岩の海岸を少し進むとボルダーが見えてくる。ここはトポが有るから、比較的わかりやすい。

 海岸線に一番手前から、少し離れて、3つのボルダーが並んでいる。

 先ずは一番奥のボルダーまで行ってみる。途中、潮が満ちていたのか、靴を脱いで水に入りながら一番手前のボルダーの基部を巻き、歩いていった。

 少し被ってはいるが、ガバガバのところを登ってみる。

 次は、いかにもトラバースせよ的な下が被ったリップをトラバースする。最後はそこをマントルする。

 一ツ戻って、真中のボルダーである。

 これは適当な大きさのずんぐりした岩だ。

 先ずは下が少し被った、リップに手が届くところを登ってみる。次はその左側。形状は似ているが、高さが増し、リップにいきなりは手は届かない。次は海側の一番高い、といっても3〜4mだが、スラブを登ってみる。最初は真中を登ろうとしたが、結局はホールドのある左の方に逃げてしまった。

 一応易しそうなところは登ったが、一つくらいは手ごたえの有りそうなところを登ってみるかと、スラブの右のカンテをカンテの裏から取り付き登ってみた。ここも結局は途中からスラブ壁側に回りこんでしまった。

 最後は一番手前のインターネットにも写真の紹介された岩だ。少し大きくて下地は岩盤である。

 一応5級とグレーディングされているらしいところを触ってみる。少し被っているが、ホールドはある。そのホールドでリップまでは行けるのだが、その先がわからない。ホールドらしいものが見当たらない。本当に5級なのだろうか。何回かやってみたが持てるホールドは見つからなかった。

 その課題の右側が写真に写っているラインである。写真に写った形が格好よかったので、その格好を真似てみる。うーん、出来ない。4級らしいが、それが出来ない。それでも何とか頑張って、インターネットの写真とは違うが、石にへばりついている写真を撮ってもらう。

 それほど登ったわけではないが、少し疲れた。帰ることにしよう。

 先ほどの舟置き場を通ると、漁師さんらしい人が二人網の修理をしていたので挨拶をしたら、話し掛けてくれた。でも、なんて聞かれたんだっけ。確か、相棒が「千葉から」といっていた気もするが。

 次は七類か。ここは100岩場に案内図のある場所である。

 またまた細い道で七類まで行く。だが、地図は簡単な道になっているのだが、実際の道はもう少し複雑である。少し迷ったが、何とか港の横の駐車スペースに自動車を置き、歩き出す。

 最初の道がわからない。海岸の道路から細い道を入ることになっているのだが、そういう道は一つではない。最初に入った道は人の家の玄関前に出てしまった。

 次に、すごく細いが一応コンクリート舗装がされていた道があったので入ってみたら、かなり奥まで行けそうな道である。そのまま進んだら、やっぱり人の家の玄関前に出るが、最初の道の様に、玄関のまん前ではなく、玄関の前をすり抜けてゆくように先に伸びている。多分間違いないだろう。

 そんな感じで、何軒かの家の玄関前を通り、畑の中に入ってゆく。相変わらず、50cmかそこらの幅の細い道である。

 上から釣り人様の人が降りてきたから、この道で海岸に出られるか聞いたら、出られるという。やっぱり間違いなかったようだ。

 最後の人家の横で犬に吼えられたが、そのまま進むと山道になり、やがて峠様のところで二股に分かれる。さて、どちらだろう。トポには一本道しか記載されてはいない。両方しっかりと踏まれている。一本は峠を越え、もう一本はそのまま稜線沿いに登る感じだから、多分峠越えの道だろうと右に進む。

 峠を越えると道は下りだし、程なく水平トラバースに移る。しばらく進むと、海岸に真っ直ぐ降りる道が再び分かれる。そこでもどっちか迷ったが、海岸に降りる道に入る。

 少し急な道を下って海岸に出ると、その海岸の先は丸く突き出した岬の様になっている。トポの道はもう一度峠になるように書かれている。ということはあの岬に上る道がほかにあるのだろうか。とは思ったが、一応行けるところまで海岸を行ってみたが、海岸通しでその岬を回りこむことは出来ない感じだったので、引き返しながら、先ほど分かれたトラバース道に登れそうな脇に入る道を探したら、下りてきた道よりも手前に踏み跡があったので、その道に入ってみた。

 最初はちょっとした尾根状を歩き、斜面のトラバースに移ったら、先ほど海岸に降りた道との分岐に出た。そのトラバース道の先で峠になると考えたのだが、戻ってきた道に分岐は無かったから、どうやらこの道ではなさそうだ。そう考えて、最初の峠まで戻り、先ほど分かれた道の方に入りなおしてみる。

 しばらく尾根を登り、山腹を巻き、海岸淵に出てきた。その少し手前で、トポにある峠からのボルダーへの分かれ道に見える道が踏まれている。これだろうか。藪を分けながら入ってみたが、途中で消えてしまった。再度インターネットの写真を見たら、ボルダーは開けた場所にあるようになっている。この辺だったら藪の中だから、写真とは大分に違ってしまう。尚も進んだが、海岸に降りる急な道になったので、そこに相棒を残し、小生だけで少し降りてみた。

 その先は岩壁になってはいるが、そこまで行くには結構急な岩壁をトラバースしなければ行けそうに無い。その岩壁の下はもう海である。どうもここも違うようだ。

 戻りながら、最初に見た岬方面に行けそうな踏み跡らしきものに入り込んでみたが、全て途中で消えていた。

 既に日は傾き出している。もう駄目だろうか。そう思いながら、100岩場の案内図ではなく、インターネットから落としてきたもう一つの案内図を見てみたら、峠の分岐も書かれており、その道は違うとも書かれている。そして、一旦海岸を歩いてから山に入り峠を越えるとも書いてある。そうか。

 また海岸まで降りて、先ほど行った先まで歩いていったら、山に入る踏み跡が見つかった。その道で峠を越えたら直ぐに海岸に出た。

 その海岸には黄色い色をした大き目のボルダーが幾つか点在している。どうやらこの辺の様だ。

 岩に近付くと、発泡スチロールの漂着物が散乱していて歩きにくくなる。そこを何とか歩いていって、一つのボルダーの裏に廻ったら、それが写真で見たボルダーだった。

 あったあった。やっと見つけた。でも、高い。登ってしまったら降りられないかも。

 周りのボルダーも見てみる。良さそうなやつは一つ位か。無理すれば、もう二つくらいは何とか登れそうにも見える。

 写真のボルダーの手前のガビガビの被った岩を登ってみる。

 脆い。

 写真のボルダーに戻って、下部のトラバースを試みる。下地が岩だし、何となく脆そうだったから恐かったが、傍の岩の上から離陸して、何とか降りられる場所までトラバースする。

 次は最初に少し面白そうというか、小生の好みに見えた、カチカチの垂壁を触ってみる。高さは3mちょっと位か。でも、下地は発泡スチロールである。

 ホールドは結構細かい。おまけに豊富にあるというわけではない。

 少し悪目のホールドで離陸し、また少し悪目のホールドで繋ぐ。次はどこだ。ホールドを探っていたら落ちてしまった。でも、下に溜まった発泡スチロールがマット代わりになってくれた。

 2回、或いは3回くらいそんなことをして、何とか最後のホールドを見つけ出し、少し左寄りのリップを取って上に抜ける。やったぁー。まぁ、得意系だから。

 充分に満足してしまった。

 まだ幾らか時間が有りそうだ。最後に、来る時に見落とした千酌のボルダーにいってみるか。このボルダーは千酌港の近くの三箇所に散らばっているらしい。

 トポを見ながら、千酌港方面に走っていったら、トポにある三ヶ所の駐車場らしいところが次々と現れる。多分その辺だろうが、一応千酌港のボルダーから先に行くことにする。

 最初は港の手前のトポにある駐車スペースに自動車を入れてみたが、余りにも遠そうだったから、一応港の先の方まで自動車で行ってみる。

 港の脇の堤防の手前に駐車スペースがあったから、これ幸いとそこに自動車を停め、防波堤を越えてみたら、真四角なそれらしいボルダーが目に入ってきた。しかし、下地は水没していた。

 戻って、2番目のボルダーを探す。トポにはP2から石段を降りるとなっている。

 港から2番目の駐車スペースに入ると、その直ぐ下に民家がある。その民家に向かって二箇所石段が降りている。ここかなぁ。左の石段を下りたら、その民家の玄関前に出てしまった。

 右の石段を降りたら、海岸まで降りることが出来た。

 海岸まで降りたのだが、ボルダーらしいものは見えない。少しうろうろしたら、側壁に小さな白い矢印が見つかった。

 この小さな矢印、実は片江のボルダーにもつけられていたものだ。この側壁で間違いは無さそうだ。でも、また飛び降りなければならないのか。うーん。

 適当にトラバースしてお茶を濁してしまった。

 次は三番目のボルダーだ。少し離れた隣の駐車スペースに移動する。

 こちらは2番目よりは少し広めのスペースである。

 トポには竹薮を降りるとある。確かに海側に竹薮がある。

 踏み跡が無いか探してみたのだが、踏み跡らしきものは見当たらない。竹薮のはずれから下を見たら、海岸までは結構な高さがある。その距離を藪漕ぎするのは相当に大変そうだ。

 竹薮の反対側の端に行ってみたら、石段があった。しかし、鎖が掛けられ、そこには「不法投棄防止のため使用禁止」の札が下げられている。という事はその階段を下りてはいけないということか。それで、竹薮を降りろと書かれていたのか。ではそうするしかないか。表向きはね。

 海岸についたら、岩はある。しかし、ボルダーらしきものは見当たらない。少しうろうろしたら、また側壁が現れる。ここだろうか。その側壁は奥に行くに従って高くなっている。一番沖側の部分だけがかろうじてボルダーとして登れそうだ。

 トポと見比べたが、それのような、そうでは無さそうな。

 まぁなんでもいいやと、適当に被ったガバガバの面を登ってみる。脆い。矢印も無いし。なんか違うみたい。でもいいや。

 すでに日は落ちかかっている。寒くなっても来た。早々に引き上げるか。沖には一筋の飛行機雲が引かれていた。

 駐車所に戻り、何となく気持ちの良い駐車場だったので、駐車場のはずれの東屋風の建物のベンチでコーヒーを沸かしてしまった。

 もう7時だというのに、まだ明るい。やっぱり西に来ると、日の入りが遅くなるのだろう。

 今夜は尾道の近くの旧沼隈町の道の駅泊の予定である。松江を通って瀬戸内に下ると思っていたのだが、カーナビをセットすると、境港から米子を通って瀬戸内の福山に出るというルートを指示してくる。確かに松江まで戻ると遠回りになりそうだ。

 事前に地図を調べたときには、米子から島根半島に行くには、松江には寄らずに堺水道を渡るとすぐだということがわかったのだが、堺水道にかかる堺水道大橋は有料だったので、江島という島を経由する橋だか道だかよくわからないルートを使えばと考えていたのである。しかし、一般道優先でカーナビが指示した道は堺水道大橋を指示している。どうやらこの橋は無料開放されたようだ。

 どうも小生の使っている地図には、こういう無料開放された有料道路や、新規に作られた道の記載漏れが多くなってきたようだ。既に10年以上も前の地図だから、そろそろ新しい地図を買わなければならないなぁ。

 ナビに導かれて、境港市から米子市に入ってくる。しかし、適当なレストランが現れない。米子市内もバイパス様の工業団地の中のような道を走っている。米子を過ぎると、また田舎道に入ってしまう。すでに8時近くなっている。

 やきもきしながら走っていたら、少し街中のような場所になって、海鮮料理の店が現れた。あそこに入ろうかと話している間に通り過ぎてしまったが、それを逃すと、もうあるかどうかわからないということで、Uターンして、その店の駐車場にはいる。

 店を少し覗いたら、なんだか高そうな店である。ショウウインドーを覗いたら、やっぱりすごく高い料理しかない。駐車場の反対側には同じ経営らしいラーメン屋がある。それまでも幾つかラーメン屋はあったのだが、小生がラーメンを余り好まないということもあってパスしてきたのである。しかしここに至ってはラーメンでもしょうがないかという気になってくる。

 結局、そのラーメン屋のほうに行ってしまった。

 夕食を食べ、ガソリンを入れて、中国山脈を越える道に入る。国道181号線から180号線である。

 空いている、結構なスピードで皆走っている。

 新見というところ辺りから182号線に入り、しばらく中国道と並走する。

 道の駅が現れる。多分「鯉が窪」の道の駅である。「恋ヶ窪」ではない、って、物凄いローカルネタだが。

 トイレ休憩の後走り出したら、また「遊YOUさろん東城」道の駅が現れる。近かっ。まぁ、岡山県と広島県だから、行政的には離れているのだろうが。でも、先の鳥取県内の国道9号にも、立て続けに道の駅があったし、最近は隣町同士でも、距離に関係なく道の駅が作られているし、本来的に距離は関係が無いのだろう。道の駅も競争時代に突入したということか。

 福山の町から、旧沼隈町に入る。それ迄道幅のあった道も細くなる。そして、ゴチャゴチャした街中を走っていったら、「アリストぬまくま」道の駅に到着した。すでに、11時半になっていた。


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作成年月日 平成17年 5月27日
作 成 者 本庄 章