御岩山に行ってきました

2004年 8月25日記
 火曜日に相棒と二人で茨城県の日立市郊外にある御岩山の岩場に行ってみました。

 この岩場は、御岩山の山頂近くにあって、麓の御岩神社の境内らしいのだが、結構古くから岩登りのゲレンデとして登られてきた岩場のようで、最近でも地元等の岳人によって登られているようである。

 月曜日の夜に雨が降り始めるなど、あまり天気は良くなかったのだが、火曜日の朝には晴れていたので、例によって少し遅めの11時前に家を出る。

 最近は茨城方面にご無沙汰だったので、国道16号線を千葉から走る方向に自動車を走られせてしまったのだが、よく考えてみると本日は平日である。多分16号は混んでいるはずだと考え及び、慌てて習志野経由で16号を使わずに茨城方面に行ける道の方向にUターンする。お陰で渋滞に巻き込まれること無く利根川を渡ることが出来た。

 龍ヶ崎から土浦に出て、6号線の土浦バイパスを少し走り、千代田石岡インターから常磐道に乗る。平日だということもあってか、周りの自動車も法定速度をほぼ遵守するスピードで走っているので、その流れに乗って走る。

 友部のサービスエリアの直前で、寄ろうかどうしようか迷っているうちに入り口を通り越してしまったので、仕方がないから、そのまま進む。走りながら、寄って地図をもらって来なかったことを悔やむ。

 日立中央インターの出口のパーキングに寄り、トイレを済ませ、序にアイスを買う。

 時間が既に2時近かったので、アイスをイスに座って食べようという相棒を促して直ぐに自動車に乗って出発する。実はこれがいけなかったのだが。

 日立中央インターは、常磐道のインターから一般道までの間が別の有料道路になっている。そのために、常磐道のインターの料金所で、その有料道路分の料金100円が同時に徴収されてしまうのである。

 料金を払い、一般道に出たので、先ほど買ったアイスを食べながら自動車を運転する。

 アイスをほんの僅かハンドルの部分にこぼしてしまったので、それを拭おうとゴチョゴチョやってみたのだが、運転しながらだし、おまけに曲がりくねった登り坂に差し掛かっているから、なかなかそのアイスが拭えない。アイスが融けてしまってズボンに落ちそうになっているから、少しあせっていたら、相棒が脇からタオルを差し出してくれたから、そのタオルを受け取ったら、自動車の前輪が思い切り路肩の縁石にぶつかってしまい、大きなショックと共にはじかれてしまった。びっくりしてハンドルを握り直したが、それ以上のアクシデントには発展しなかったので、一応胸を撫で下ろす。

 結構大きな音とショックだったので、少し心配したが、目的地は直ぐそこだったので、停まることなくそのまま走り続けた。

 トンネルを抜け、御岩山への出発点となる、その先の道路わきの駐車場に自動車を停め、支度を始める。

 途中、特に不具合も無く走ることが出来たので、一瞬忘れていた前輪を確認すると、リムの淵が結構削れていて、バランス用の錘がなくなっている。これではホイールバランスが相当に崩れてしまったようだ。やはり相棒の言うとおりにして置けばよかった。

 駐車場の奥の旧道とのガードレールを跨ぎ、旧道に出て、自動車進入禁止と書かれた車止めの鉄製のゲートを回り込んでその先の廃道になった舗装路を歩き出す。ここから御岩山までは参考にした案内では35分となっている。

 暫く旧道を歩くと、古いトンネルの手前の向陽台というらしい所に出る。そこには高鈴山登山口と書かれた大きな看板があり、そこから道標に導かれて山道に入って行くことになる。

 最初は幅の広い緩やかな道が続き、程なくして細い山道になる。樹林帯だし、曇っているから、8月でもそれほど暑くは感じない。しかし、既に額には汗が噴出しており、背中は濡れてしまっている。やっぱりこんな時期に標高が500m弱という、あまり高くない山に登る等という事はするものではないのかも知れない。

 なんとなく地面が湿っている。やはり雨が降ったようだ。もしかすると、岩は濡れているかも、そんなことを考える。

 途中、ちょっとしたピークを越え、尾根筋を登ると、岩が見えてくる。その岩の横をもう少し登ると、御岩山の山頂らしきちょっとした広場に出る。

 駐車場から丁度35分くらいである。荷物を降ろし、インターネットから落としてきたこの岩場の案内を見ながら、近くの岩を偵察する。

 思っていたよりはボルダ−が見えない。もう少し藪の中にボルダ−が点在しているのかと思ったのだが、大きな岩が多く、ボルダ−は少ないようだ。

 トポを片手に、ルートの引かれた岩の基部に下りようとしたのだが、意外と傾斜がきつく、大変そうだったので直ぐに荷物のところまで戻り、その先の尾根筋に入ってみる。

 しかし、その尾根筋は、小さな岩がいくらか存在する場所を過ぎると岩は殆どなくなってしまう。どうやら、ルートの引かれた岩がいくつか集中する場所以外にはあまり岩は存在しないようである。

 少し腰をおろして、トポを見ながら相棒の作ってきたおにぎりを食べる。どうやら、そのちょっとした広場が齋庭と呼ばれる所らしい。なんとなくトポの感じがわかってきた。

 登る支度をして、先ずはアップと、正面に見えるほぼ垂直の凸凹のガバガバのあまり高くない岩を登ってみる。10級のやさしめ。靴を濡らさないように気をつけながら歩く。

 次は旭峯正面壁と言われるらしい岩の頭付近にある、ちょっと被った面を持つボルダ−に行って見る。

 高さは2mちょっと位か。両手を一杯に開くと、両方のカンテが持ててしまうくらいの幅しかない。でも少し被っている。そして、下地は岩が出ているから、良くは無い。よし、これを登ってみるか。

 先ずは左のカンテを使ってスタートしてみる。次のホールドはどこだろう。右手を伸ばしていろいろとホールドを探る。しかし、しっかりと持てるところが見つからない。ずっと左のほうまで探すと、やっと指の第一関節がかかるフレークを見つける。しかし、痛い。他を探してみる。やっぱり見つからない。仕方がない、それを使うしかないか。

 そのホールドを右手で持ち、左手をカンテのより高いところに飛ばす。足を上げて右手で岩の天辺のガバを掴む。

 その姿をデジカメで撮っていた相棒が、デジカメの数字が消えたと言い出す。仕方がないから、天辺のガバを掴みながらそのまま休んでいたのだが、なかなか相棒からデジカメの準備が出来たとの声が掛からない。仕方がないから、そのまま上に登り、相棒のもとに行って見る。

 デジカメを見ると、電池が切れている。やっぱり。荷物まで戻って、新しい充電式の電池を入れてみる。しかし、新しいと思った電池は、前回のときに電池切れで取り替えたままの電池だった様だ。なにしろ、今朝の思いつきで出かけてきたボルダリング行だから、相棒がおにぎりを作った以外は、何にも準備らしいことをしてこなかった。インターネットから落としたトポも、大分前に落としてあったものを引っ張り出してきたものだし。半分使いかけの乾電池を入れてみたら、デジカメは正常に動いた。

 戻って、またその岩を登ってみる。今度は、左のカンテは使わずに、壁の中のホールドのみで登ってみる。先ほど右手で持ったフレークを今度は左手で取る。痛いけど何とか持てたから、そのまま上のリップを掴む。

 その岩の向かい側に祠が祭られている。トポにある賀毘礼神社だろうか。祠の直ぐ後ろには高さが2mくらいの細い四角柱が立っていて、しめ縄が巻かれている。相棒が拝む。

 先ほど登った凸凹の岩の近くに小さな少し被った面を持った岩があるので、そこに行って見る。

 高さは2m位。たったままだと岩の天辺がもててしまう。壁の真中辺りの顕著なフレークでSDスタートしても、2手目はもう岩の天辺付近だ。まぁいいや。

 その岩の奥の岩も登ってみる。こっちも小さいから簡単だ。

 トポには岩小屋との文字がある。岩小屋はどれなんだろう。先ほどから探していたのだが、なかなか見つからない。先ほど登った凸凹の岩を左に回り込んだら、その面がすごく被っている。これか。しかし、下地は傾斜しており、岩が階段状に突出している。落ちるわけには行かない。木に囲まれているから薄暗いし。

 写真だけでもということで、何箇所かその壁の中に張り付いてみる。しかし、いざホールドを探すと、ガバがなかなか見つからない。何しろ被っているから、張り付くだけでも大変なのだ。何とかホールドを見つけ、やっと2箇所で張り付く。

 この齋庭周辺にはもう登れそうなボルダ−は見当たらない。岩場のほうに降りなければ新しい岩は見つからないようだ。

 再びおにぎりを食べ、水を飲む。

 荷物を持って、旭峯正面壁の脇の道を降りる。先ほど少し降りてみて諦めた道だ。

 やはり途中の2m位いが岩と岩の凹角を降りる状態になる。足場を岩に求めなければならないから、結構厳しい降りになる。小生が先に降り、相棒をしたからサポートする。

 普通ならロープが付けられるだろう場所なのだが、ここにはロープは下げられてはいない。普通のハイカーでは登ることすら難しい場所である。そこを相棒に降らせる。相棒も以前は一応はボルダリングをやったから、何とか降りてきた。といっても最高グレードが9級だから、おまけに運動靴だから、相当に怖かったらしい。

 将棋の駒という岩があり、その岩には6m位の5.8のルートがあるらしいので、それを登ってみようと思っていたのだが、木の茂みの中なので、岩はまだ濡れている。当然その将棋の駒もびしょびしょではないが、濡れている。仕方がない、登るのは諦める。

 その将棋の駒の基部をトラバースして行くと天狗ののぞき・大ハングという岩があって、その脇にボルダ−岩という岩が有るらしいので、一応その岩を目指す。

 はっきりした踏跡がつけられてはいるのだが、トポの踏跡とはなんとなく違うような気がする。適当にトラバースして行くと、上に登る踏跡が現れたので、そこを登って上の縦走路に戻ろうとしたのだが、その踏跡があまりはっきりしないので、その踏跡は諦めてもう少し先に行って見る。

 突然トラロープの張られた木の柵が現れる。そういえば、ここには何かの植物が群生しているとかどこかのHPで見たような気がするから、それらを保護するための柵なのだろうか。

 丁度、その柵が道を作ってくれているような感じで、その柵沿いにトラバースして行くと、ちょっとした岩嶺を乗ッ越して柵の一部が続いているから、そっちのほうに行って見ると、見事にハングした壁が現れる。そうか、この壁が天狗ののぞき・大ハングなのか。先ほど上に登る踏跡のあったところの岩は僅かにハング部分を持っていたが、この大ハングではなかったのか。

 岩の前に荷物を起き、その壁の右下のボルダ−岩らしき岩を触ってみる。

 途中にボルトが打ってある面は下半分がハングしていて、そのハングの下地は傾斜した苔だらけの岩盤になっている。ハングの上の面にはホールドらしいものは見当たらない。ボルダ−として登るには相当に厳しそうだ。

 その面の左の面は僅かに寝ていて、ホールドスタンスは一杯有りそうに見える。そこを登ろう。

 降りるのはどうしようか。その岩の右側は草付きになっていて、傾斜はきつそうだが何とか降りられそうだ。

 一番易しそうなところを登ってみる。やっぱり10級だろう。岩の天辺を少しトラバースして草付きに出て降ってみる。やっぱり相当な傾斜だ。それに相当に湿っているようだ。最後の部分の傾斜が物凄くきつくなって足場が無い。木にぶら下がって、何とか降りてくる。これなら今登ったところをクライムダウンするほうが楽なようだ。

 今度は、もう少し右によって、ハングしたところとの境のカンテに出て登ってみる。こちらも、易しいところを選んで登るから、やっぱり易しい。一応9級にしておくか。その岩の左奥のカンテを使って降りてくる。やっぱり先ほどの草付よりは相当に楽だった。

 戯れに大ハングの下部に取り付いてみる。ホールドが無い。やっぱり、大分に弱くなってしまっているようだ。何しろ、外では7級よりも難しい課題はここ暫く触っていないからなぁ。これから秋に向かって、もう少し修行をしなおさなくてはならないだろうなぁ。

 ここの岩はどういう岩なのだろう。花崗岩では無さそうだし。全体になんとなく赤茶けているけど、チョートっぽくは無さそうだし。なんだかよくわからない岩だなぁ。現地ではそう感じていたのだが、後でトポを読み返してみたら、「石灰岩が変成したもの」とあった。ということはやっぱりチャートなのだろうか。

 その先にも踏跡が伸びているので、その先に行って見る。

 多分五十八尺岩らしいものが現れる。少し寝たスラブの岩である。右下の部分のスラブが途中まで登れそうだったので、どうしようか少し迷ったが、そろそろ時間も5時近かったので、そのままその先に進んでいった。

 その踏跡はそのまま高鈴山への縦走路に出てもとの道に出られるはずなのだが、なんとなくその踏跡が薄くなってしまった。あまり歩かれていない道のようだ。ここで迷っても仕方がないからと、大ハング岩の方まで引き返すことにする。

 大ハング岩の左側の柵沿いの道を登って行くと、柵の終わりのところ辺りで柵の中に入って行く。といっても、柵に結ばれたロープの終わりが岩の突起に結ばれているのだが、そのロープの一番終わりの部分を跨いで、そのロープが結ばれた岩の基部を上のほうに登って行く恰好になるから、ロープで囲まれた部分に踏み入るという感じではないのだが、なんとなくロープを跨ぐのが躊躇われる。しかし、そうしないと岩に行く手を阻まれているから行き場が無いのである。踏跡もロープを跨いだ先に伸びているから、仕方なくロープを跨いで先に進む。

 ちょっと岩嶺を登ると直ぐに縦走路に出た。

 齋庭に戻って、岩小屋の下を通る高鈴山への縦走路に降りて、帰路につく。

 途中のちょっとしたピークは巻き道が有ったようなのだが、やはり迷っても仕方がないからピークを登り返し戻ることにした。

 山頂を出発した時間がはっきりしなかったので帰りにどれほどの時間が掛かったのかは定かではないが、多分30分くらいだったのだろう。

 6時前に自動車に戻ったので、そのまま山麓の御岩神社に寄って見ることにする。

 来た方向とは反対方向に進み、看板に導かれて御岩神社に到着し、神社入り口の横に作られた駐車場に自動車を置く。

 その駐車場から真っ直ぐに道が走っているのだが、草が生い茂っていてなんとなく歩きにくそうだったので、駐車場の入り口近くまで戻り、砂利がしっかりと敷かれ、蛍光灯の点けられた道を真っ直ぐに進むと、山門が現れる。なかなか気持ちの良い神社である。

 その山門の手前に三本杉という日本の巨樹百選か何かに選ばれたらしい杉の木が立っている。途中から3本に分かれた杉だからもともとの幹の太さは結構太い杉である。先ほどの駐車場からの道はその杉の向こう側を通り、山門の先で合流する様に付けられているようだ。わざわざ平行にそこそこ太い道が2本作られているわけだが、どういう意味があるのだろうか。もしかすると、我々の歩いてきた道は昔ならばやんごとなき人しか通れなかったのかも知れない。確信はまったくないが。

 その先も道は2本で進み、本殿に向かう。しかし、右側の道は本殿の右を通って尚も先に進んでいる。その2本の道は表参道と裏参道として、その奥の賀毘礼神社まで続いているらしい。ということは、先ほど賀毘礼神社だと思った山頂の祠は賀毘礼神社では無さそうだ。本当の賀毘礼神社はもう少し下のほうに立派な社として立っているようだ。時間が無いから、その先に進んでそれを検証することはしなかったが。

 本殿には電気が燈されており、なんとなく厳かな感じのする神社だった。

 帰り道で一組の夫婦とすれ違う。やはりそれなりに有名な神社のようだ。

 帰りはそのまま先に進んで、堅破山に行ったときに通った道に出て、水戸方面に進み、那珂インターから常磐道に乗った。

 心配したタイヤのぶれも無く、無事千代田石岡インターから一般道に下りる。

 途中、相棒が娘にもらったという某ファミレスのホットケーキの只券を持ってきていたので、そのファミレスを探しながら走ったのだが、なかなかそのファミレスが現れない。

 土浦から荒川沖、龍ヶ崎を過ぎても現れない。ついに利根川を渡ってしまった。でも現れない。

 習志野に入ってやっと現れる。既に9時近い。

 ホットケーキに組み合わせる料理って何だろう。メニューを見ながら考えるがなかなかアイデアが浮かばない。スープにするか。それもなぁ。結局サラダとコーヒーに落ち着く。

 只券の為に何百円かの出費を強いられる。まぁ、只券て、そういうための券なのだろうが。

 家には10時過ぎに着いた。何だカンだで、結局は12時間近くを費やした訳だが、4時間かそこら遊ぶのにその倍近い時間をかけて行き来したことになる。なんとも効率の悪い遊びだなぁ。そうか、もう少し早く家を出れば良いわけか。理屈ではわかるんだけどなぁ。


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作成年月日 平成16年 8月25日
作 成 者 本庄 章