笠間ボルダーその9

2001年2月13日記

 連休の最後の月曜日に、何時ものジムの仲間と相棒と3人で今年初めての笠間に行った。

 何時もの様に11時過ぎに笠間に到着。駐車場には雪が残っていたものの、ボルダーエリアには殆ど雪はない。ボルダリングへの支障は全くない。どうも、木の下までは雪は積もらなかったようだ。風もなく1度という気温に対しても意外なほど寒くは無い。前回の御岳よりも暖かい様だ。今回も石倉岩に数名のクライマーが取付いていた。

 最近ご無沙汰していた石倉岩の頭のSDの課題を触る。2級だ。被っている。今回はスラブを少しやりたいと思っていたので、何時ものカチ靴とスリッパを持ってきていたが、スリッパを履く。出来ない。1手目が取れない。やっぱり未だパワー不足という所か。悔しいからその上のコンクリのベンチ小屋の屋根のリップにぶら下がってマントルリングをする。これでウォーミングアップも充分だ。

 ギル岩の下のビギナーズカンテのある岩に行く。

 ビギナーズカンテは難度E、その左隣のスラブは難度C。スリッパを履いて、ビギナーズカンテに取付く。カンテとフレークを使って上に抜ける。次ぎはスラブだ。難度Cだから、易しくはない。

 右手フレークで1歩2歩とスラブを上がってみる。どうもフレークに頼りすぎている。左手を添えて持ち変えるのが結構大変である。右足を上げ、左手で左のカンテを取ろうとするのだが、右足に乗り込めない。下地が悪い。木が生えており、おまけに傾斜した面が一部窪んでいたりする下地だから、マットも敷けず、思い切って飛び降りる事が出来ないのだ。右足をレイバック気味に突っ張ってスタンスに乗れれば、左のカンテに届くのだが、やっぱり落ちたら危ないと思うから、その思い切りが沸かない。岩の上には錆びたリングボルトが残置されている。やっぱりトップロープリハーサルでやろうと、今回は早々に諦める。仲間は登る。

 次はラブタッチの岩に行く。扇岩には先程石倉岩に居たらしい一団が居る。

 右足に体重を移して左手でカンテを抱きかかえる。なんとか左カンテは取れる。右足を上げ、左手を上げて、左足を思い切り上げる。体がだんだん剥がされてゆく。大体そんな感じを何回か繰り返す。だんだん疲れてくる。そこまでの成功率も下がってくる。

 少し休む。靴をカチ靴に変えてみる。スリッパよりは心なしか楽に立てるようだ。右足をそれまではきちっと立てる場所に置こうとしていたのだが、それを適当な場所に変えてみる。本当に適当に。立てる。左手も上がる。すると右足も適当な所からそれまで上げようとしていたきちっと立てる所に置く事ができる。その状態になると左足を思い切り上げる事が出来る。体が上がる。右手がリップを捕らえる。出来る。

 この右足適当な所に移してから手を上げ足も上げる。これだ。これで多分もう1回登れる。少し休んでもう1回やる。左手でカンテを捕らえ、右足を適当に動かして左手を上げ、右足を安定させて思い切り左足を上げる。その足を突っ張ってリップを捕らえる。手順通りに出来た。2回続けて登れた。よし、完登だ。多分もう1回登れるだろう。

 仲間はラブカンテに挑戦して、なんとか登った。小生も真似してみたが、カンテを持ったまま動けなかった。

 ここには相棒が登れる数少ない課題の1つであるグリコがある。今回も相棒はこのグリコを登っていた。今回も1撃では無かったらしいが、結構スムーズに登れたようだ。やっぱり相棒も進歩しているらしい。

 扇岩を登っていた人達が上がってくる。少しお話をする。ここ笠間の紹介者のお仲間のようだ。その当時のお話を聞く。やはりすごいトレーニングをされていたようだ。

 このラブタッチを登れてやっと初級卒業となるらしい。段級で3級、ここのグレードでC。それが出来ないと初級は終わらないらしい。中級に入れてもらえないらしい。それも昔のフィーレという靴で。厳しい。でも、小生もこれでやっと笠間中級者の仲間入りか。何となく嬉しい。

 石器人岩に移動。石器人スラブ中央に取付く。この課題は100岩場では初段とグレーディングされている。しかし、このグレードは真中を直上する場合のグレードだと思われる。ここのオリジナルグレードではB難度となっている。

 小生は、少し左から左手をカンテのアンダーでスタートして、オレンジ色のマイクロポケットを取り、左カンテを捕らえて抜けるというラインを試す。以前ここを大体こんなラインで登った人は2級くらいかといっていた。

 仲間もここは登れる気がしなかったという課題だ。2級くらいとグレーディングした人以外では登った人を見た事が無い課題でも有る。

 どうせ今回も登れないだろうが、今回はスラブも目的だからという事で、下にマットを敷いて仲間と2人で試技を繰り返す事にする。

 左手カンテをアンダーで持ち、左足僅かなリスに乗って、右足を結構良いスタンスに置けば上のマイクロホールドが持てる。しかし、なかなか右足に立ち込めない。そこまでを何回か繰り返す。

 この右足スタンスは、何回か乗っていると、足の決まるポイントがだんだんわかってきて、しっかりと立てるようになってきた。次ぎは左足のスタンスだ。適当に上げてみるがここでは適当は通用しない。飛び降りて左足のスタンスを探す。

 手が比較的持てるホールドを持っているから、フリクションが効きそうな場所を探す。結晶の有る場所を見つけ、印を付ける。登ってみてそのスタンスを試す。凄く効く。仲間もそのスタンスを使う。やっぱり凄く効くようだ。

 次は右足のスタンスだ。乗れそうなスタンスに印を付け試す。あまり良くない。もう一度スタンスを探る。そのすぐ下にもう少し良さそうなスタンスを見つけ試す。乗れた。またまた次の右足を探っているうちに落ちる。

 仲間はそのスタンスでカンテを捕らえることが出来、上に抜ける。嬉しそうだ。

 小生にはそのスタンスではカンテまでは手が届かない。次のスタンスを探す。もうここまでくれば傾斜は少し寝てくる。スタンスもだんだん良くなってくる。ホールドもそこそこ持てるからなんとか力で解決できるかも。適当なスタンスの所に目星を付け、負荷を減らすため、帽子もチョッキも脱いで挑戦する。そのスタンスに乗るまでに1回か2回落ちたかも知れないが、そのスタンスでカンテを捕らえ、足を適当に上げて岩の上に立てた。出来た。やっぱり帽子やチョッキも馬鹿には出来ないようだ。

 まさか出来ないと思っていたこのスラブが登れた。それもカチ靴で。凄く嬉しい。この課題はホールド、スタンスを選びながら、そこへの立ち込みを確認しながらの試技だったから、自分のムーブが大体わかったし、核心部分も何回かやっているから、多分もう一度登れるであろう。ということで、この岩は終了とする。

 まだはっきりとは確認していなかったポコ岩の確認に行くことにする。

 この岩にはハン・トラというB難度の課題が設定されているようだが、下が切れ落ちており、とても課題が設定できるような感じではない岩だ。従って、今までその岩まで行って確かめた事はなかったのだ。

 行ってみると、確かに半分の部分は空中に突き出しており、下地はずっと切れ落ちている。しかし、そのハングの部分にはリングボルトが3〜4本打たれ、あぶみの練習でもしていたような感じである。岩の上にもリングボルトがある。しかしこの下地の切れ落ちた岩の先頭からリップをトラバースするのは無理だと思われる。大体先端に取付く事が出来ないのだ。相当急な斜面の真中に突き出た岩だから、足場が全く無いのだ。なんとも不思議な岩である。

 次は恒例のワシントン倶楽部である。仲間も登れるが、未だにムーブが確定していないので確実に登れるという自信の無い課題らしい。小生も未だ1回しか登った事の無い課題だ。小生もなんとか再登したい課題だ。

 先客がボストン倶楽部に取付いている。見れば岩がチョークで真っ白だ。それも全面が。確かにこうするとスタンスが浮かび上がってくるようだ。しかしここまでは少しやりすぎではという感じもする。雨が降れば奇麗にはなるのだろうが。

 先ずは小生が取付く。右手カンテから左手リップに手をやり、右手でリップを取ってから左手でしっかりしたリップを持てた。これで右足を上げて、と右足を探っているうちに落ちた。惜しい。足が全く見えていなかった。

 仲間は1回で登る。確実性がでたと喜んでいる。小生その後リップが取れない。右手のカンテもどこだかわからなくなってしまった。疲れているのか。

 少し休んで、再び帽子もチョッキも脱いで、少し冷静にムーブを反省して、リップを取って右足が上がった。乗って左足を開こうとしたら右足が少し滑ったが、左手が良いから、何とか落ちる事無く左足が置け、辛うじてマントルが返せた。2回目が登れた。

 仲間はボストン倶楽部を登っている。この課題は初登者はカンテの右の面だけで登っていたのだが、先に取りついていた人はカンテからスタートし、右の面に移るという感じのムーブで試していた。仲間もそのムーブを試し、登る事が出来た。でも、初登者のムーブとは違うからと、その後も一生懸命右の面だけで登ろうとしていた。

 少し休んだ後、再びワシントン倶楽部を登る。今度は帽子もチョッキも脱がなかったが、さっきよりは少し安定してマントルの体勢まで行き、マントルは少しよれ気味になってしまったものの、なんとか登った。この課題も2回続けて登れた。2級である。この課題も今後登れるであろう。多分。

 しばし仲間のボストン倶楽部の試技を見学していたが、寒くなってきたので、靴を持ってハングマンに行ってみる。程なく仲間と相棒も来る。

 リップを持ってマントルするだけの課題だが出来ない。今回も出来なかった。もう暗くなりかかってきたので、帰る事にする。ボストン倶楽部の先客はまだ10回は登って行くとか。

 帰りがけ仲間が大黒岩に寄りたいというので、大黒岩に寄る。もう既に相当薄暗いが、仲間はサムライ返しに挑戦する。彼は既にこの課題は登っているのだが、初登者のムーブで登りたいらしく、再度の挑戦らしい。このシーンを相棒がビデオに納める。7回目くらいに登る。小生はパラダイスゲートを戯れに登る。大分楽に登れるようになっていた。

 帰りは例によって例のQ番で夕食。相変わらずQ丼のボリュームは凄かった。

 どうせ急ぐ旅でもないしで、高速は使わず下の道で帰る。6号も殆ど渋滞はなかった。しかし、やっぱり相当疲れていたのか、或は仲間とのおしゃべりに気を取られすぎたのか、途中曲がるべき交差点を直進してしまって引き返したり回り道をした所が3個所ほどあった。

 やっぱり歳か、心しなければ。


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作成年月日 平成13年 2月13日
作 成 者 本庄 章