外岩用の練習にもドッ被り壁は良い

2001年2月24日記
 最近、外の岩のグレードが少し上がってきて、今までより少し難しい課題に取付くようになって気が付いた事がある。それは、傾斜の無い外の岩用の練習であっても、人工壁のドッ被りでの練習は必要であるという事である。

 人工壁では、今までは外用にと、薄被りの細かい系の課題を中心に練習をしていた。外の岩は傾斜はないが、ホールドもスタンスも人工壁に比べると想像すら出来ないくらいに細かい物が多い。それに慣れるためには、また指を鍛えるという事からも、人工壁では薄被りの細かいホールドやスタンスで練習するのが良いと、先輩からも言われたし、自分もそう思っていた。

 それによって、細かいホールドが持てる様にはなってきた。しかし、この細かいホールドも、バランスが悪かったりすると、そのホールドを持って岩に張り付く事が出来ないのだ。確かにホールドは持てている。しかし岩から体が剥がされてしまい、次のホールドが取れない。そういう場面が増えてきたのだ。

 ホールドがガバであれば、少々足が細かかったりバランスが悪くても張り付けるし動ける。しかしホールドが細かくなるとそうは行かなくなる。体中の全ての筋肉を総動員して岩に張り付かなければならない。そうしないと動けない。最近そういう事を感じるようになってきたのである。

 つまり、身体張力、これが無いとスタンスやホールドの極端に細かい外の岩場では、傾斜が殆ど無くても、動けないという事に気が付き始めたのである。

 そこでこれに対応すべく室内ではどのような練習をすれば良いのかを考え始めたのだが、人工壁ではもうこれ以上の細かいスタンスを求める事は難しい。ではどうするか。足の負担を減らすにはどうすれば良いか。

 それは、そう、簡単だった。傾斜を増せば良いのだった。ドッ被りの壁で鍛えれば良いのだ。そして、身体張力を鍛えるには、自然の岩では滅多に出てこないキョンや体の振りは使わず、正対ハイステップでやれば良いのだ。そして、それでは指への負担が大きくなりすぎると思えばホールドを大きくすれば良いのだ。そうだったのだ。簡単だったのだ。

 実際のスタンスの使い方やホールドの使い方は自然の岩で無ければ出来ない。人工壁ではあくまでも筋トレに徹すれば良い。その為にはドッ被りで正対でやればよい。そういうことだったのだ。ガバホールドを使っていれば、指への負担も少なくて済む。指が痛くなる事も少ない。いい事ばかりのような気がする。

 このことに気が付いて実践し始めてからまだ日が浅い。であるから、未だ結論は出ていない。しかし、最近登れるグレードが上がった事は間違い無い。それがこのトレーニングの結果なのかどうかは分からない。でも、このトレーニングのお陰であるような気はしている。

 また暫くしたら報告する事としよう。


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作成年月日 平成13年 2月24日
作 成 者 本庄 章